心に効く言葉

理論を越えなければ夢は実現できない

私は何か物事が起きた時、また、起こそうと思う時、その物事に対して「何故？」を考えるクセがあります。「あれはああだったからこうなった」とか、「あれはこうすればこうなる」とか、何かしらの法則を探し出すことで安心を覚え、今後の自分に役にたったかのような気持ちになります。

しかし、実際どれだけ啓蒙書や自己啓発やノウハウ本や成功の法則などの本を読んだとして、それを頭で理解したとしても、行動がそれに及ぶことはあまりありません。そして結果の出ない自分に次第に苛立ちを覚え、「～だから、～れば、でも」と理屈を付けては自分の思い通りにならない事に諦めることが殆どです。

一部の特殊とも呼べる人“だから”うまくいった、自分にはそれだけの才能が“無いから”できない、もっと自分がお金持ちだっ“たら”何でもできるのに、幸運があ“れば”幸せになれる…。
人の成功は妬ましく、いつでも自分は悲劇の英雄。
このような状態でうまくいくはずないと分かっているのに、成功している人より、失敗している人の方が多いという事実を忘れて、まだどこからか奇跡がやってくるはずと思い込むことで、また人を失敗させることで安心しようとする。

理屈は理屈であって実際にその理屈通りに行動したからといって、物事がうまくいく保障なんてこれっぽっちもないのです。むしろ、理屈通りに行動することで縛りつけられ、自分らしさを見失う結果になることの方が多いのではないか？と思うくらいです。

じゃあ、あれこれ分析したり理屈を付けるのは無意味なのか？と問えば、私はＮＯと答えます。何故なら、もし、理論がなければ、人はただ闇雲に動くだけだからです。必要なこととは、理論をはじめ、プライドや権威、財産、思想などは使うためにあって、使われるものではないと思うことです。

つい私は権威や学識の下にへばりつくように、成功本やノウハウ本を鵜呑みにして、その理屈という名の鳥かごに入ったまま子飼いにされてしまいます。それは成功の法則のみであって、失敗の法則が憂慮されていないとても狭い世界なのです。だから、理論の中に自分がいるのではなく、自分の中に理論があるという感覚を持たなければならない。

何かにあこがれたり、羨ましく思ったり、感動したりする対象に出逢ったとしたら、それにひれ伏すのではなく、乗り越えるしかないのです。
そのために私達は人智を尽くして努力を惜しまないのだと思います。


参：　感動したら、それを自分が超えてやろうと思うんだ　岡本太郎