2007年04月25日

憧れや羨ましさは「未開発の可能性」

憧れや羨ましさは「未開発の可能性」として自分に“うずいている”ことだ
(BY 河合隼雄)

誰かを羨んだり憧れたりするとき、それと同時にそこに届かない自分を蔑んだり言い訳をしたり
してしまう自分がいます。ただ有名やお金持ちに成りたいわけではなく、“どんな”という具体的
対象を見つけたときに全身がむず痒くなるような焦りと「あの人は~だったからうまくやれたんだ」
という条件を付けて、「あ~あ、自分も~だったらあの人よりもうまくやれるのに…」とそう成れない自分を一所懸命に慰めるのです。

自分に不足していると思う部分を埋めるために切磋琢磨するならばいいものを、「カネに汚くて 卑怯な奴」と勝手に悪い人物像を作り出し「あいつみたいな奴がいるから自分は不幸なんだ」と憧れがいつのまにか「妬み」になり、「羨み」が「裏病み(心の内側が病んでしまう・やましい)」になってしまうと、その人の努力によって得たお金も、知名度も、信用も、全部「汚い」ということに
なって、自分だけは純粋潔白だと思い込むようになってしまうのです。

自分は正しいのに悲運、相手は間違いなのに幸運…
どうして、「憧れ」という感情がそんな考えになってしまうのでしょうか?

実際、どれだけスポーツや勉強や金儲けなどができる人がまわりにいたとしても、自分の持っていないものを他人が持っていても、憧れや羨ましさは“必ず起こる”というものではありません。
「へぇ、すごい人だなぁ!」と感心したり、尊敬はするものの、自分がそう成りたいと思わなければ羨むような感情は起こらないようです。

つまり、自分の中に「未開発の可能性」として自分の中に“それ”が存在しなければ、
羨む必要がない
のです。

ただ、誰もが難しいことや苦しいこと面倒なことを避けたいという心理があるので、相手を妬み
誹謗する人は、「相手より自分が不利にされてしまっているのだから、相手を批判するのは
当然だ!」とやらねばならないことを忘れそれだけに傾倒する。そうしていた方が“ラク”で、
今の自分の立場を正当化できると感じるからです。

また、「興味がない」と言いながら内心気になってしかたがなく、ちょっかいばかりかけてしまう…子供の頃は好きな子にいたずらをする程度でも、大人になると悪意そのものになる。
その憧れに近づく気持ちが、振り向いてほしい、反応してほしい、存在を認めてほしい、優位に
なりたい…とそれ自体は悪くないのに、自分に努力せず受動的かつ利己的な“自己顕示欲”が
ストーカーなどを生み出してしまうと考えます。
確かに羨む行為はちょっと後ろめたいような気持ちが入ることもありますが、それは自分の可能性がどの「方向」に向かっているのかを“発見”するために必要なものではないでしょうか?

もし、そこで困難や苦痛を克服すべく努力し、面白さがわかってきたとしたら、相手に対する
「羨ましさ」は自然と消えてくるのではないでしょうか?

もし自分の心が“うずいて”きたら、それが自分の可能性かもしれないと、妬んだり自分に
言い訳をする前にやるべきことがたくさん“発見”できるようです。


参: 未熟であることに悲観してしまったら、未熟である理由がなくなる
憧れたら、それを超えるんだよ 岡本太郎



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この記事へのコメント
自分の嫉妬や妬みの気持ちに自己嫌悪することが多いです。
嫉妬心はライバル心と背中合わせなので、
いいほうにエネルギーが向けばいいのですが。
現実は・・・・

"もし自分の心が“うずいて”きたら、それが自分の可能性かもしれないと"
こういう発想を持たねば。
Posted by 空凛 at 2007年04月27日 13:04
現実は、ちくしょ~!と僕は思ってばかりで、どこにも向かえない自分にいらだつことがほとんどです。
どうすればいいか、何か手っ取り早いハウツーみたいなものはないかと、すぐ安直な方法をを探すだけに努力する…。
僕は急がばまわれで焦らず1つずつやる必要があると感じている今日この頃です。
.
Posted by ayanpa at 2007年05月03日 00:38
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