2005年12月13日

天国も地獄もない…ただそこにあるのは“現実”だけだった。

(BY 浦沢直樹「20世紀少年」)

人は辛い時、どんなことをするのでしょう?
それは自傷行為、ひきこもり等で自ら社会隔離してしまうことから、過食・拒食、酒・麻薬そしてリストカット・自殺まで、もっと自分を苦しめることをしてしまうのです。
それは、自分が悲劇的であればあるほどその状態よりマシなときに開放されたような快感があるからです。

私達が今いるこの世界は、確かに不平等で不条理な閉ざされた場所です。
あまりにも辛くてまともに立っていられないほど、世の中が理不尽に思えるような時もあります。
どうしようもなく自分が無能に思えて、生きていることに価値を見出せない時もあります。
でも、生きても・死んでも、“現実”という世界からは逃げることができないのです。
何故なら、どこまで行っても、あの世・この世という自分が存在する場所があるからです。

死んだら全部チャラに出来る…いえ、別の世界で同じように苦しむだけです。
質量保存の法則…生きている世界があるということは、死んでいる世界があるということです。
死んでいる世界はないとしたら、私達は生きていると言えるのでしょうか?

人は死ぬからこそ、生きているのです。死のない生はありえません。
太陽がなく月が照らされることも、裏のない表もない…。ちょっと宗教チックになってしまいましたが、要は一生懸命に生きた人だけが、幸せに死んだ世界を暮らせるのです。

苦しい…でも、その苦しいという“現実”があるだけです。
生まれた、育った、病気した、恋愛をした、失恋をした、借金した、老いた、死んだ…どんな状況であれ、それは“現実”です。それを認めたくないと非現実、仮想現実へと違う世界を求めもっと苦しい思いをしてしまうのです。

大切なことは、現実という“そこ”にちゃんと立っていること。
「こんなの自分じゃない」ではなく、「こんなのも自分だ」と認めた時から、“そこ”は天国でも地獄でもない、自分が存在すべき場所となります。

重要な仕事や人前に立つ時などで、吐き気を催すほどの緊張で逃げ出したくなる…でも、それがあるからいいんです。状況や不安よりも自分が“小さい”と思ってしまうから、それに“呑みこまれようとしている”のです。

大切なことは、そんな不安を吐き出すのではなく、逆に“呑み込んでしまう”ことなのです。
息とともに“不安や緊張”を大きく吸い込んで、ゴクンと喉を鳴らしてみる…。
言葉だけではこのニュアンスは難しいですが、一旦、不安や状況を呑み込んでしまった人は、
熱いお茶をゴクンと飲んだ後のような、じんとして何かしら開放された満足感に包まれるはずです。
そこから超現実…夢の世界へ行くことができるのではないでしょうか?

参考:人は痛みから解放される喜びを得るため、自らを痛め続ける
喉元過ぎれば熱さ忘れる



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