2006年04月29日

一期一会(いちごいちえ)

私の最も好きな言葉です。
シンプルな音の中に、頭よりも先に心に直接届いて、ジンと響き渡る深さと広さがあります。

普段の生活の中にずっと“それ”は存在しているのに、あまりにも当たり前すぎて気付くことができないもの。それは逆に言えば、失ってみて初めて気付くものなのかもしれません。
朝、目覚ましに起こされて歯を磨き、他人事のように新聞をめくり、コーヒーをすする。
ひどくつまらない社会システムの中で、毎日、同じ作業をする。
始動ボタンを押して、レバーを引く。 ガチャン、ギー。 一日が始まる。

ふと思う、ずっと死ぬまでこの事を繰り返すのだろうか?と。
しかし、実は世の中に“繰り返すことのできる人生など無い”のです。

空が“青い”ということは誰でも知っています。
でも、次に見る空の色は、前に見たかつての空の青ではない。
空を眺めては空想にふけっていた幼少の頃に比べて、私はずいぶん他人事のように空を眺める“つまらないオトナ”になってしまいました。だから、「あぁ、空って青かったんだ」と、その当たり前の事に、ふと改めて感動する自分に、嬉しく思えるのです。

私は、新しいこと新しいことと、何でも知ってやろうとする願望が、逆に瞬間瞬間に現れる新鮮な生命の息吹を感じる力を失わせ、結果として古い固定観念に縛られて、無感動にしていってしまっているような気がするのです。
“オトナ”になって、知識と経験が増えて、物事に新鮮さを感じなくなった。
その結果、刺激を外に求めるようになり、現実の自分を忘れることが幸せと思うようになってしまう。

大切なこととは、現実の自分に幸せを感じること。
あたりまえと思っている物事の中にこそ、新しい発見や感動があるという事実を知ること。


心の内面が敏感になり、感受性が高くなると、絶望も多く感じるようになりますが、感動も多くなります。無感動であることが、人の心を傷付けない一番の方法ですが、同時に心を消滅させ、“うつろな人間”にしてしまうことでもあるのです。

心があるからこそ、人間であり、瞬間瞬間に感動しながら生きていける生き物だと思うのです。
私達は、同じような毎日のシステムの中に暮らしながら、繰り返すことのできない瞬間に生きているのです。



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