2007年06月28日

退屈する余裕はあっても、飽きているような余裕はない。

「退屈でないものには人はすぐに飽きてしまうし、飽きないものは大体において退屈なものだ。
僕の人生には退屈する余裕はあっても、飽きているような余裕はない。」 村上春樹

「あなたに勇気はありますか?」と聞かれれば、僕はきっと「そんなにない」と言ってしまう。
でも、「あなたに好奇心はありますか?」と聞かれれば「少しはある」ときっと答える。
勇気と好奇心の違いはいったい何なのでしょう?

勇気がないのに好奇心がある。好奇心がないのに勇気があるという状態…僕の思うに、
”好奇心”は企画開発の仕事、”勇気”は営業・運営の仕事のように感じます。
時に好奇心は「やる気」を掘り起こしますが、適当なところでそれがぱっと消えてしまうので、
後は自分で勇気をかき集めていかなくてはならない。
車のエンジンで言う「トルク」と「馬力」の関係のように、本当は誰にでも「好奇心」も「勇気」も
あって、ただ働き方が違うだけだと思うのです。

だから、勇気と好奇心はどこかで重なり合い一緒になっているように思えるし、いったん行動
してしまうとその違いはさほど気にすることはないのです。社労士や行政書士・司法書士など
の違いがよくわからなくても生活できるように…。

気を失いそうなくらい長い“らせん階段”を登るように、同じところをグルグル回り続けていると
感じながら、実は上へ上へと進んでいる…それがヘーゲルの弁証法で言う“成長”となります。

実感としてはエッシャーの無限階段の絵のようでも、5年10年単位で観れば実感できるはず
です。ただ、僕たちは“反省”という認識なしに、“実践”という階段を登り続けることはできない。
反省できなければ、たちまちに飽きて現実という足場を失ってしまうのです。

好奇心を持ち続けることはとても退屈なことで、ステレオタイプな毎日が繰り返されると思うと
焦りが出てくる。そこで勇気という馬力でねばりを利かせ、弁証法的に単調な毎日に工夫して
みると、日常は変わった姿を突然現し、走り続けている自分と走ってきた距離や時間とが関係
性を持って繋がり、自分の望んだものと求められていることが「わかる」時があります。

その状態がランニングハイというものなのか、座禅を組んで悟りを開いた精神的昇華のような
ものなのかはわかりませんが、ただ、今まで見えていなかったものが見える瞬間があります。

生きていることは良いことばかり起こらないし、とても危険だし、疲れるし、退屈なことです。
でも、僕達は退屈だからこそ生きている。

「勇気ある行動」とは未知に対して好奇心を持ち、退屈な日々に反省と実践を繰り返しながら
より高次へ外化(チャレンジ)させる…それが「人の成長」となるようです。

参:
「誰も知らない世界へ向かっていく勇気を “ミライ”っていうらしい」
 スガシカオ{kokua:コクア「Progress」}



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このカテゴリーの記事一覧⇒ 人生のヒント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

▼ブログランキングに参加しています。クリックで応援していただけると励みになります。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ  
同じカテゴリー(人生のヒント)の記事
真実は嘘をつく
真実は嘘をつく(2009-10-21 07:54)


この記事へのコメント
冒険家のような勇気と行動力を持った人は、
退屈とは無縁の生活を送ることができるのでしょうが、
行動範囲の狭い私などは、
日々のマンネリといかに闘っていくかが大きな課題です。
毎日の生活の中にも 新しい発見と喜びを見出せるフレッシュな心。
理想です。
Posted by 空凛 at 2007年07月01日 13:57
老いはやることがなくなったときに始まるといいます。
逆にやることがあるということは若さがあるということですよね。
退屈であるということは、まだそこにやるべきことが残されている状態なのだと僕は考えています。
飽きていたら、何もやる気がなくて変わろうとも思わないはずですから…。
もしかしたら、満足しきっている状態は飽きている状態に似ているのかもしれません。
石の上にも5年10年…退屈であることを楽しめる自分がいればいいなと思います、その先に何か今まで見えていなかったものが見えてくると信じて。
Posted by ayanpa at 2007年07月03日 11:21
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。